中小企業診断士を目指すブログ

中小企業診断士受験生の備忘録です。あと日々の雑記など。

M&A、戦略的提携

ニュースなどでもよく聞く分野なので一般常識でだいたい回答できそう。アライアンス、戦略的提携はゆるい連携、M&Aは組織統合を伴う強固な合併。

 

効果は規模の経済性と範囲の経済性の発揮。規模の経済性とは企業が生産規模を拡大していけば生産物の単位あたり平均生産コストが低減することを言う。規模の経済が生じる理由は調達量の増加によるコスト低減、生産規模が増大しても必要な労働力や固定費が同じ比率とどまること、経験曲線効果によるもの。範囲の経済とは経営資源の多重利用化のこと。

 

M&Aの分野は海外の経営理論なので横文字が多い。以下は個人的に覚えにくい。

 

MBO 現在の経営者、事業部門責任者が外部投資家から資金調達を得て企業株式を買収すること。

 

■MBI 投資会社やベンチャーキャピタルが経営権を取得してからマネジメントチームを送り、経営に参画する手法。

 

グリーンメーラー ドルの色(緑)と脅迫状(ブラックメール)の合成語。ターゲット企業の株を買い占めてからターゲット企業に高値の買収を要求する手法。

 

小西美術工藝社のデービット・アトキンソン社長が仰られている中小企業の統廃合推進とは①日本に中小企業が多いということは範囲の経済性、規模の経済性がそれだけ損なわれているということ、②つまり内閣府は「中小企業は、日本の企業数の 99.7%を占め、約5割の付加価値額を創造している。」としているのでGDP中の約300兆円の経済範囲(中小企業)で範囲の経済性、規模の経済性が失われているということだろう。

 

まさしく「生産性(productivity)」の議論であって、両面コピーをしましょうとか、昼休みは電気を消しましょうなどが生産性だと誤解される、われわれ日本企業が海外メーカーに時価総額でもROEでも負けるわけである。

 

要すれば日本企業はアンゾフの多角化マトリックスの新規成長分野への参入も、経営統合による範囲の経済性も規模の経済性の追求も、この三十年間できてこなかったということか。縮小均衡である。残念すぎる。

 

この分野(中小企業のM&A)は将来性がありそうだし、面白ろそうなので、診断士になったら積極的に携わってみたい分野だ。ただうちの奥さん(銀行員)が言うには「銀行の中の中小企業のM&A部隊は業務量過多で死にかけてる人が多い」らしい。